あなたのTシャツのサイズは何サイズですか?体系の変化、もしくは時代の変化は関係ありますか?

唐突ですが、わたしは40代の男性です。

どうみても、どうあがいても中年です。

そんなわたしが最近思うのは、年を重ねていくことで良くも悪くも「リアルタイム」で世の中の流行や、出来事などの記憶や思い出が増えていくということ。

さて、なにが言いたいかというと、Tシャツの着こなしや売れているサイズがわたしが生きていた45年間という間ですら、目まぐるしく変わっていったなということ。

70年代は記憶がほぼないので語れないけど、物心がついた15才ぐらい、西暦でいうと1990年代前半。わたしが高校一年生の春、学校の行事でオリエンテーションと称して生徒全員で上野に行った。千葉県民のわたしには上野はちょっとした都会であった。よく分からないままセンタービルにあったバンドTシャツ屋に入った。店名が「BLACK」だったか、「DUBBLE DECKER」だったかは記憶が曖昧だけど、狭い店内に入った瞬間、背伸びした大人みたいな気分になった。

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初めて買ったバンドTシャツのMINOR THREAT

わたしが初めて購入したバンドTシャツ。数多くのTシャツが陳列されているなかで、なぜこれを選んだのかは思い出せない。当時のわたしはハードコア・パンクなんてほとんど知らないし、もちろんMINOR THREATも知らなかったけど、なんかよくわからないけど直感で手に取っていた。なぜかXLサイズを買ってしまったのは、それしか在庫がなかったからか、パンクファッションをした店員にビビって在庫を聞けなかったからなのか分からないけど、まだ成長しきってない私の体格にオーバーサイズで着る感覚が、背伸びした大人みたいな気分になった(二回目)。ずっと気に入って着ていたけど、なにかのタイミングで友達にあげてしまったことを後悔しているのは、とんでもないヴィンテージ品になっていて、今となってはわたしが買うには手が届かない金額になっているからだ。

このTシャツがきっかけとなり、40才を過ぎてもバンドTシャツを買い続ける人生になるとは思ってもいなかった。自分と同じような趣味嗜好を持ったクラスメイトがいたことも影響してか、当時は色んな場所にバンドTシャツを買いにいった。今では信じられないかもしれないけど、当時の穴場はジーンズメイトだった。BEASTIE BOYS、SUICIDAL TENDENCIES、RED HOT CHILI PEPPERSなどのTシャツが1,980円ぐらいで相場よりも安く売られていた。当時の相場は3,500円ぐらいだった気がする。バンドじゃないけどDOG TOWNも売っていた。この時代はサーフブランドが流行っていて見た目が悪そうな先輩方はBRONZE AGEやCHRISTIAN FLETCHERのTシャツを着て登校していた。

そしてわたしが高校二年ぐらいだった頃、1993~94年ぐらいかな?「ネオパンク」という流行がやってきた。武田真治さんや、いしだ壱成さんがファッションアイコンだった。70年代のパンクファッションをサイバーっぽい感じにリメイクしていた。TシャツはチビTとかピタTとか呼ばれ、名前の通り小さいサイズを男性でも関係なく着ていた。信じられないよね。ネオパンクを代表するブランドといえば、SUPER LOVERSMILK BOYとかかな。宇宙百貨とかもあったなぁ。「ネオパンク いしだ壱成」で検索したらいっぱい当時の画像がでるかな、と思ったらまったくヒットしなかった。

 

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ロンドンのコギャルとか呼ばれてたらしいよ

こんな感じのピタピタのTシャツが流行っていた。


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イギリスだけではなく、日本でも爆発的にヒットしたSHAMPOOのデビューが94年。面白い時代だったな。

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紐をつなぐとすごく歩きづらかったやつ

ダサかったわたしはパンクの流行に振り回された結果、当時組んでいたコピーバンドのライブではガーゼシャツにボンテージパンツという佇まいで若いがゆえに粋がっていたが、本人的にはネオパンクではなくオリジナルパンクを意識していたようなので許してあげたい。同時期に原宿にあるA STORE ROBOTにも通っていた。マルコムとヴィヴィアンがつくったSEDITIONARIESのTシャツを当時よく着ていた。Sサイズをゆったりと着こなしていた若かりし自分の体形がいまとなっては眩しく感じる。友達はModsっぽいブランドのReady Steady Go!を愛用していた。懐かしい。LonsdaleのTシャツも一瞬だけ流行ったような気がする。

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ロゴがかっこいいよね。バンドのロゴでもオマージュっぽいのがたくさんあるやつ

2000年を過ぎてからはファッション誌をまったく見なくなったので、トレンドとかに疎くなってしまった。街を歩いているひとや、お店のディスプレイなどをみて、「あっ、いまこういうのが流行ってるんだ」ということを時代に遅れて気づいたり、気づかなかったりしていた。

音楽系の仕事に2002年の秋ごろに就職した。2005年頃のTシャツの発注枚数を見返してみた。

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2005年ぐらいの物販の発注表

KLはKIDS Lの略。Mが一番多く、KLやSも多い。世の中的に小さいサイズもまだまだ売れていた時代だ。面白いのはこの当時、関東と関西で人気のサイズが異なることだった。大阪は独自のオーバーサイズの着こなしがこの時代から既にあって、物販の動きが関東とはまるで違ったのが印象的だった。ちなみにこの時代のTシャツボディはanvilが多かった気がする。

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首元をバッサリしたやつ

そして、2010年ぐらいにはTシャツの首回りや袖をバッサリとカットした着こなしが流行った。これ、誰が流行らしたんだろう。ライブ会場にいくとかなりの割合でカットしているお客さんを見かけた。いまとなってはほとんど見かけないけど。また流行ったりするのかな。


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ドラムスが「レッツゴー サーフィン」って歌ってた時代。

 

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もっと小さいサイズが流行っていたやつ

2014年ぐらいの発注数をみたら、より小さいサイズの人気があった。いまは名前が変わってしまったけどDALUCというボディが人気で生地は薄く透けるような素材だった。サイズ感も小さめの作りだったので、わたしは苦手なボディだった。100%コットンではなく、ポリエステル素材も入っていて質感も違った。このボディでも首回りカットを多く見かけた時代だった。

 

なんか長くなってきたのでこの辺にしとこう。

 

2021年は生地が厚めでサイズはLよりもXLが人気だったりするし、XXLも売れたりする。もはやKLやSサイズを作っているところは少ない。たった数年でこんなにもトレンドが変わることが面白いなということをあらためて言いたくて、ブログを投稿してみました。


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最近よく聴いているドイツのインディバンドのThrow That Beat in the Garbagecan! の動画を貼ってお別れです。93年リリースです。